ヒートショックの原因と対策/浴室・脱衣場の暖房と正しい入浴方法

入浴中の事故死は、交通事故死亡者数の約4倍

交通死亡事故者数と入浴死亡者数の比較

平成25年のデータによると、年間約19,000人の方が、入浴中の事故で亡くなっています。 その数はなんと交通事故死亡者数の約4倍以上にもなるそうで、年々増加傾向とか。 死亡原因は、脳梗塞や心筋梗塞がもっとも多く、大きな要因がヒートショックだと言われています。

※出典:厚生労働科学研究費補助金 入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究 平成25年度 総括・分担研究報告書、 警察庁「平成25年中の交通事故死者数について」

入浴中の事故死は、冬場に5割が集中

東京都23区における入浴中の事故死(10年間の平均人数)

入浴中の事故死が多いのは真冬で、12月から2月にかけて全体の約5割が集中しています。 寒い時だからこそ熱い湯に肩までつかりたいところですが、ヒートショックにはくれぐれもご用心を。

ヒートショックとは、急激な温度変化による血圧の急変動などが身体に及ぼす衝撃のことで、 気温差が10℃以上の時に起こりやすいそうです。 重篤な疾病リスクがあり、軽い失神だったとしても滑って頭を打つなど、大変な危険が伴います。

※出典:消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」リリースより

入浴中の血圧の変動と疾病のリスク

入浴中の血圧変化と疾病リスク

居間から寒い脱衣室へ ⇒ 血管が収縮し、血圧上昇
浴室の冷たい床に立つ ⇒ 血圧がさらに上昇する 
お湯につかって温まる ⇒ 血管が拡張し、血圧下降
脱衣室へ戻ったら寒い ⇒ 血管が収縮し、血圧上昇

ヒートショックを防ぐには「温度のバリアフリー」と「入り方」

ヒートショックの引き金は急激な温度変化ですから、対策のポイントは、ズバリ「温度変化」です。 入浴するときに通る空間(居間~脱衣室~浴室)の温度差をできるだけ減らしましょう。 温度の段差が少なくするバリアフリー化です。

【浴室を暖めよう】
まずは浴室を暖めましょう。 浴室暖房乾燥機がお勧めですが、 高い位置からシャワーでお湯はりしたり、熱いシャワーで床や壁を暖めておいたり、 またバス蓋を開けておくのも効果があります。

【脱衣室も暖めよう】
次に室温が低い脱衣室の温度にも気を配りましょう。 小型のヒーターが便利ですが、衣類など家事には注意。 浴室暖房乾燥機をお持ちであれば、浴室の扉を開けて一緒に温めましょう。

【お風呂の入り方にも注意!】
熱いお湯はヒートショックの危険性を高めてしまいます。 心臓や肺への負担を考えると、38度~39度のぬるま湯で、10分まで。 あまり長いと熱中症になる恐れもあります。

ゆっくりとお風呂から出ることも大切です。 血圧が下がっている時に急に立ち上がると、脳まで血を運ぶことができず、めまいや失神を起こすことがあります。 ゆっくり立ち上がりましょう。

ヒートショックを防ぐお風呂の設備

浴室暖房乾燥機

浴室暖房乾燥機

浴室の暖房に加え、乾燥機能をあわせもっています。 天気や時間に左右されずに浴室で洗濯物を干せるので便利ですね。 また、換気と乾燥の力で浴室のカビや結露の発生を抑え、浴室のお掃除もラクになります。

夏場には涼風が出るものや、ミストサウナ機能を備えたものもあります

お風呂の床暖房

お風呂の床暖房

タイル張りの床であればバスマットを敷いていると思いますが、案外冷たいもの。 水滴などがついていれば、素足を通して思わず「冷たい!」

床暖房があれば、足元からしっかり暖まります。年間の電気代は約320円。 浴室暖房乾燥機と組み合わせ、温度のバリアフリーが実現できます。